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2025/07/16

共働き家庭の悩みと工夫|家事・育児を無理なく回すコツ

「毎日、仕事や家事、育児に追われて自分の時間がない」「家事の分担に偏りがあって、自分ばかりが大変」

共働き夫婦の家庭では、多かれ少なかれ悩みや小さなモヤモヤを抱えているものです。小さなモヤモヤも積み重なると、ケンカやストレスの原因になってしまいます。

本記事では、頑張る共働き世帯に向けて、家事や育児を無理なく回すための小さな工夫を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

共働きが当たり前になった今


今の日本は、時代とともに変化し、共働き世帯が当たり前になってきています。社会の変化や価値観の多様化により、社会に出る女性が増えたためです。

出典:厚生労働省 
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/backdata/02-01-01-03.html


1980年代は専業主婦世帯が主流でしたが、1990年代後半から共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、今では働きながら育児や家事を両立するライフスタイルが一般的です。

共働きが「普通」になった一方で、家事や育児の負担、夫婦間のすれ違い、自分の時間が持てないなど新たな悩みも出てきます。

共働き生活で感じる小さなモヤモヤ


家計の安定や社会とのつながりなど、共働きにはさまざまなメリットがあります。一方で、家事の偏りや急な子どものお迎え、ふとしたときに感じる疲れや不安など日々の生活のなかで小さな悩みが生まれることも少なくありません。

どのようなモヤモヤが出てくるのか見ていきましょう。

家事・育児分担の偏り


共働きといえ、家事や育児の多くを妻が担っている家庭は多く見られます。一方で、夫側が負担を感じたりしているケースもあり、家事・育児の分担の偏りが生じている家庭が多いのが現状です。

総務省の調査によると、6歳未満の子どもを持つ夫の家事時間は1日あたり約30分、育児時間は約1時間です。一方で、妻の家事時間は約3時間、育児時間は約4時間にのぼっています。家事・育児の総時間で見ると、妻は夫の3倍以上の時間を家庭に費やしている計算になります。

データからもわかるように、片方に家事・育児の分担が偏っている傾向があるため、バランスを見直してみるのもよいでしょう。

参考:令和3年社会生活基本調査 社会生活及び生活行動に関する結果|総務省

自分の時間がない


共働き夫婦には、自分の時間がないことも悩みの一つです。平日は仕事や育児、家事に追われて休日はたまっている家の用事や子どもの習い事の送迎などで忙しく、1人の時間が持てないケースも珍しくありません。

とくに、女性は子どもと一緒にいる間は常に「何か危険なことはないか」「不快に思うことはないか」と細かいところにまで気を配っているため、疲れやすいです。

だからこそ、夫婦で家事や育児の分担をしながら、お互いが意識して1人の時間を持てるように工夫することが大切です。

急に休まないといけない時がある


共働きをしていると、子どもの体調不良や怪我などで急に仕事を休まないといけないときがあります。また、学校や保育園・幼稚園からの急なお迎え要請や休校など、予定していなかった理由で休まざるを得ない場面も少なくありません。

そんなとき、同僚や会社に迷惑がかかると申し訳ない気持ちになる人も多いでしょう。急な休みはどの家庭でも起こり得るものです。

だからこそ、日ごろから職場の方たちと信頼関係を築いておいたり、夫婦で協力し合える体制を整えておくことが大切です。

共働き夫婦の工夫|子育て・家事編


ここでは、共働き夫婦がバランスよく家事・育児をするための工夫について紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

夫婦の協力体制を強化する


まずは、夫婦での家事・育児のバランスを見直し、協力体制を強化することから始めましょう。どちらか一方に家事や子育ての負担が偏らないように、家事・育児の役割を話し合いながら、役割分担することが大切です。

たとえば、夫にはゴミ出しや保育園・幼稚園の送迎など、出勤のついでにできるものを担当してもらうなど、お互いの負担を減らす工夫が効果的です。

さらに、週1回~月1回の家庭内ミーティングで、スケジュールや分担作業の負担がないかなどを確認します。カレンダーやアプリを活用して、お互いの予定を「見える化」すると、自然に協力体制も生まれやすくなるでしょう。

外部サポートを利用してみる


家事代行サービスや地域の一時預かりサービスなどを利用してみるのも一つの工夫方法です。夫婦どちらかの体調不良や出張などで、どうしても家事・育児に支障をきたすときがあります。

部屋の掃除やお皿洗い、作り置きなどのサービスがあり、短時間利用できる家事代行業者などさまざまです。また、民間企業よりリーズナブルな価格で利用できる自治体のサービスもあるので、調べてみましょう。

たとえば、自治体によっては一時預かり保育や、短時間だけ利用できる子育て支援事業を提供している場合もあります。

コストはかかりますが、家庭の状況に合わせて無理のないサポートを上手に取り入れていきましょう。

家事分担表を作る


共働きの家庭では、家事分担表を作るのがおすすめです。それぞれの担当家事を「見える化」することで、どちらか一方の家事・育児の偏りを防ぎ、不平感を減らす効果があります。

まずは、分担する家事・育児の項目をリストアップし、それぞれに役割を割り振りましょう。ここで大切なのは、必ずしも5:5と平等にするのではなく、仕事の忙しさや家事スキルを考慮して柔軟に分担することです。

さらに、日ごろ使い慣れていない家電の使い方や掃除道具の場所など、基本的な情報も共有しておくとスムーズに進みます。曜日ごとで家事・育児の担当業務を交代制にする方法も効果的です。

育児に関しても、寝かしつけや入浴サポート、休日はどちらが子どもと遊ぶかなどある程度事前に決めておきます。家事分担表を作ることで担当業務が明確になり、それぞれが責任を持って家事・育児に取り組めるでしょう。

作り置きや便利家電を活用する


作り置きや便利家電を利用するのも、共働き世帯の家事・育児を楽にする工夫方法の一つです。

平日の夜ごはんには、休日にまとめて作った作り置きのおかずを活用したり、食洗器や乾燥機、お掃除ロボットなどの家電を取り入れることで毎日の負担を軽減できます。

お互いの家事・育児の負担を少しでも減らし、心に余裕を持てる時間を増やしていきましょう。

子どもの自立を促す


共働きの家庭にとって、子どもの自立を促す取り組みも欠かせません。子どもが1人でできる作業を増やしていくと、自信や達成感を育むだけでなく、サポートが必要な場面を少しずつ減らせます。

たとえば、自分で着替えをする、脱いだパジャマを畳むといった日常の小さなことから始めるとよいでしょう。できたことを見える化するために、シールを貼る仕組みを取り入れると、子どもも楽しく自主性を伸ばしていけます。

子ども自身の力を伸ばしていくと、家事や育児に追われず親子で向き合う時間を持ちやすくなるでしょう。

共働き夫婦の工夫|息抜き編


忙しい毎日を乗り切るために、共働き家庭には息抜きの工夫も必要です。意識的にリフレッシュの時間を作り、心と体をリセットしましょう。

ここでは、一人時間の過ごし方や夫婦のコミュニケーションを深めるコツのヒントを紹介します。ぜひ、参考にしてください。

一人時間と手抜きデーをつくる


共働き夫婦には、それぞれが一人時間をつくったり手抜きデーを設けたりすることが大切です。家事や育児に追われる毎日が続くと、どうしてもストレスが溜まりやすくなり、夫婦関係が悪くなってしまう可能性もあります。

そんなときは、交代で家事や育児をお休みし、意識的に一人時間をつくりましょう。友人と会ってリフレッシュしたり外食やテイクアウトを取り入れたりして、ごはんを作らない日を決めるのも効果的です。

共働き生活を少しでも楽にするためには、夫婦間であらかじめ話し合い、一人時間や手抜きデーを上手に取り入れる工夫が大切です。

夫婦のコミュニケーションも大事にする


夫婦で積極的にコミュニケーションをとり、日頃の感謝を伝え合いましょう。できていない部分を指摘するのではなく、やってくれていることに感謝し、頑張りを認め合うことが大切です。

相手からの感謝の言葉や頑張りを褒められると、モチベーションの向上にもつながります。追加でお願いしたいことがある場合も、まずは今してくれていることへの感謝を伝えたうえで、やんわりと頼むようにしましょう。

また、小さな不満が積み重なって爆発してしまう前に、普段からこまめな会話を心がけることも大切です。

趣味の時間を大切にする


忙しい共働き夫婦にとって、趣味の時間の確保は息抜きとしても欠かせません。趣味に没頭するひとときが、ストレス発散や気分転換につながります。

寝る前の10分~20分でも、好きな本を読んだり動画を見たりするだけで心がほぐれます。推し活を楽しんだりスポーツや散歩などで体を動かしたりするのも、効果的なリフレッシュ方法です。

小さな楽しみを大切にしながら、無理せず自分たちらしいペースで毎日を過ごしてください。

共働きは完璧を目指さなくても大丈夫


仕事に育児や家事、日々忙しく過ごしている共働き家庭は、何もかも完璧にこなそうとしなくても大丈夫です。たまには、外食を利用したり家事代行サービスを頼ったりして、意識的に「手抜きデー」を取り入れましょう。

また、交代で1人の時間や趣味を楽しむ時間を確保し、リフレッシュすることも大切です。家事・育児を分担しながら頑張っているお互いを認め合い、日頃から感謝の言葉を伝えることも忘れないでくださいね。



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(文:川瀬幸恵)