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2023/02/23

ウェルビーイングとは?企業が取り組むメリットや導入事例についても解説!

社会のあり方や個人の価値観が多様化している近年、「ウェルビーイング(well-being)」という言葉を耳にする機会が増えたと感じる方もいらっしゃるでしょう。

もともと社会福祉や医療などの分野で使われていたウェルビーイングという言葉ですが、昨今では職場環境や働き方を見直す一つの指標になり、ビジネスシーンで重要性を増しています。

今回は、ウェルビーイングの意味や目的、企業の取り組みとして導入するメリットから導入事例までご紹介していきます。


ウェルビーイングとは?

ウェルビーイングとは、直訳すると「健康」「幸福」「福祉」を意味します。
初めてウェルビーイングということばが登場したのは、1946年に世界保健機関(WHO)が設立されたとき。


世界保健機関憲章の前文には

「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます」

と記載されています。

出典:公益社団法人日本WHO協会

つまり、ウェルビーイングとは、狭い意味での心身の健康だけではなく、幸福で肉体的・精神的・社会的すべてにおいて満たされた広い意味での「健康」な状態ということができるでしょう。

ウェルビーイングとウェルフェアの違い

ウェルビーイングと似たようなことばとして、「ウェルフェア(wellfare)」があります。


ウェルフェアは直訳すると「福祉」という意味ですが、会社組織においては「福利厚生」の意味として使われることが多いです。給与以外で、従業員やその家族に提供されるさまざまな制度や仕組みのことを指します。

「従業員とその家族のウェルビーイングを実現するための手段として、さまざまなウェルフェアサービスを整えていく」と捉えることができるでしょう。

ウェルビーイングが注目されている理由

近年ウェルビーイングが注目されるようになった背景としては、どのような要因があるのでしょうか。

SDGsの影響

SDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すために定められた国際的な目標のことです。17の目標・169のターゲットから構成されています。

日本の企業においても経営指標として多くの企業が取り組むようになりました。
この目標の中に「すべての人に健康と福祉を(GOOD HEALTH WELL-BEING)」としてウェルビーイングが設定されています。

個人の幸福だけではなく、持続可能な世界全体の幸福を目指して、ウェルビーイングが注目されていることがわかります。

社会の価値観の多様化

グローバル化の推進やダイバーシティの浸透により、さまざまなバックグラウンドや価値観を持つ人達とコミュニーケーションを円滑にとりながら企業活動を進めていく必要性が高まっています。

また、新型コロナウィルスの拡大によるテレワークの拡大やオンラインコミュニケーションの機会の増加により、働き方や人との関わり方における価値観が大きく変わった人も多いでしょう。

多様な価値観やバックグラウンドを持つ人々の能力を最大限に発揮できる環境を「企業が整える重要性」が増しているのです。

働き方改革の推進

2019年から本格的に推進されてきた働き方改革により、残業時間の規制や同一労働・同一賃金の適用、産業医の機能の強化などの働く環境や制度の整備を進める必要性が高まっています。

感染症の流行やオンラインツールの普及により、仕事の仕方が大きく変わった企業も多いですよね。

今までとは異なる労働環境やコミュニケーション機会の減少で、心身の不調を抱える社員が増加するケースも増え、精神面のサポートの重要性を認識した企業も増えているのです。

人手不足と人材の流動性の高まり

深刻な少子高齢化の進行により、若い世代の労働人口は年々減少しています。企業の人手不足は、大きな問題となりました。

終身雇用の働き方が一般的ではなくなりつつある社会の風潮により、若手を中心に、より自分に合った組織や環境を求めて転職することも多くなりました。

国際化や人々の価値観の多様化による人材の流動性が高まっており、企業は優秀な人材の確保と定職率の向上が重要な課題となっているのです。

ウェルビーイング実践に役立つ理論

ウェルビーイングの実践にあたり、多くの企業で参考とされている指標や考え方をご紹介していきます。

■ギャラップ社の調査

ウェルビーイングに関する調査として有名なのが、アメリカのギャラップ社の調査です。
ギャラップ社では、ウェルビーイングの構成要素として5つを定義しています。

1.Career Well-being(仕事)
2.Social Weii-being(人間関係)
3.Financial Well-being(経済的)
4.Physical Well-being(身体的)
5.Community Well-being(地域社会)

これらの領域について、1つの領域だけが満たされていても幸福とはいえず、それぞれの5つの領域で満遍なく満たされることが重要だとしています。

■PERMA理論

2011年にアメリカの心理学者マーティン・セリグマンによって構築されたウェルビーイング理論では、個人の幸福は5つの柱から構成されているとしており、それぞれのイニシャルをとって「PARMAの法則」と呼ばれています。


1.Positive Emotion(ポジティブな感情)
2.Engagement(エンゲージメント、没頭)
3.Relationship(ポジティブな人間関係)
4.Meaning and Purpose(意味や目的)
5.Achievement/Accomplish(達成)

これらの5つの要素を意識して生活し、満たされることで、人は幸福を感じることができるとしています。

企業がウェルビーイングを取り入れるメリット

企業にとって今後ますます重要度の高まっていくウェルビーイング。
取り入れることでどのようなメリットがあるのか、具体的にご紹介していきます。

健康経営の推進

健康経営とは、「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」として経済産業省で推進している取り組みです。

従業員への健康投資は、活力向上や生産性の向上、組織の活性化や企業の業績向上につながることが期待されているのです。

福利厚生の充実や働き方改革によって、従業員が心身ともに健康でウェルビーイングな状態を目指すことは、健康経営の推進につながるといえるでしょう。

離職率の低下と優秀な人材の確保

人手不足や人材の流動性の高まりを背景として、優秀な人材の確保は今後の企業の重要課題とされています。

従業員とその家族を含めた心身の健康推進への取り組みはもちろん、やりがいをもって仕事に取り組める環境や柔軟な働き方を整備することは、優秀な人材から選ばれる企業であるために今後も重要となるでしょう。

生産性向上による業績アップ

ウェルビーイングへの取り組みは、業務にあたるうえでの心身の健康的な状態を維持するだけではなく、ワークエンゲージメント(仕事に対する熱意、没頭、活力)を高めることにつながります。

ワークエンゲージメントを高めることで従業員の生産性が向上し、結果的に企業の業績アップにつながるのです。

企業でのウェルビーイングの取り組みを紹介

企業でのウェルビーイングの取り組みには具体的にどのようなものがあるのでしょうか。実際に取り組んでいる企業の事例をご紹介します。

■Google

国際的企業であるGooglでは、「デジタルウェルビーイング」という言葉を提唱し、デジタル機器への依存症を防ぐ取り組みの重要性を発信したことで注目を集めました。

また、2012年より「プロジェクト・アリストテレス」とよばれるプロジェクトで従業員の生産性を高めるためのさまざまな研究を進め、その結果から最も重要な鍵は「心理的安全性」であることを発表しました。

心理的安全性が確保された職場環境を整えることは、従業員の精神的な幸福度が増し、生産性向上に繋がるとしているのです。

さらにピアボーナスという制度を導入し、仲間内(peer)で報酬(bonus)を与えあうシステムを整えました。

従業員同士が感謝の言葉を伝え合ったり社内ポイントを送りあったりすることで、お互いの仕事を理解しコミュニケーションを円滑にとれるようになるなどの効果がありました。

これらの制度により、幸福度と満足度の高い職場環境の実現を目指しているのです。

■楽天

国内でウェルビーイングを積極的に取り入れている企業として注目されているのが楽天株式会社です。

その取り組みは、「楽天健康宣言:Well-being First」として掲げられ、CWO(Chief Well-being Officer)を任命し、ウェルネス部を中心にグループ企業が連携してグループ全体の健康経営の推進活動を行っています。

具体的には、知識向上や情報共有の場として健康経営ワーキンググループ勉強会を開催したり、健康課題や状況確認の為のヒアリングを行ったりなど。

ウェルビーイングサーベイ(健康状態調査)を定期的に実施することで従業員の心身の健康状態や課題を把握し、ウェルネス推進活動の効果測定を行っているのです。

また、楽天グループの本社にある楽天クリムゾンハウスは、働く場所であると同時に従業員の日常生活を豊かにする場所でもあるとしています。

カフェテリアでの無料の健康的な食事の提供や、フィットネスジムとスパの設置などの心身ともにリフレッシュ・リラックスできる施設を用意しています。

健康に関する相談ができる社内クリニックや、育児中の社員向けの社内託児所・搾乳室などを設置し、多様な従業員の心身の健康を支えるサポート体制も整えているのです。

参考:従業員ー楽天

まとめ

世界中でウェルビーイングが注目されるようになり、個人単位だけではなく社会全体でウェルビーイングを追及していく必要性が増しています。

企業においても、従業員が心身ともに健康で満たされ、幸福を感じながら業務にあたることができる環境を整備していくことは、今後ますます重要となってくるでしょう。

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(文:あらかわ きよ美)